スキャルピングとポジショントレードは正反対!手法の違いや確認すべき経済情報、チャート分析方法。

FXの手法である「スキャルピング」と「ポジショントレード」。

正反対の性質を持つトレードスタイルなので、ご自身の投資目的(「短期で一気に稼ぎたい」「中長期的に少しずつ資産を増やしたい」など)に適した手法を選択しなければなりません。

しかし、FXの初心者は「各手法の違いが良く分からない」という悩みをお持ちかもしれません。

そこでここでは、スキャルピングとポジショントレードの違いや、各手法でトレードする際に確認すべき経済情報、チャート上でのテクニカル分析の方法を詳しく解説します。

スキャルピングとポジショントレードの違い

スキャルピングとポジショントレードの主な違いを、下表にまとめました。

トレード手法スキャルピングポジショントレード
ポジション保有時間(目安)数秒~数十秒数週間~数年
目標とする利幅数pips~数十pips程度数百pips~1,000pips程度
主に利用するチャートの種類(時間足)1分足~15分足1時間足~週足
スキャルピングとポジショントレードの比較表

スキャルピングは

スキャルピングは、ポジションを保有してから決済するまでの時間が「数秒から数十秒程度」である超短期のトレード手法。

1回の売買で得る利益は小さいものの、何度も取引を繰り返す手法であるため、勝率が上がればトータルで大きな利益を実現できます。

ポジショントレードは

それに対し、ポジショントレードは、エントリーしてから決済するまでの時間が「数週間から数ヵ月、場合によっては数年程度」という中期~長期のトレード手法。

1回あたりの目標利幅は、一般的に数百pipsから1,000pips程度です。

なお、ポジションを長期間にわたって保持し続けることになるため、その間、常に相場のことが頭から離れず、ストレスに感じる方がいらっしゃるかもしれません。

スキャルピングなら、数秒から数十秒程度で1回の売買が終わり、長時間にわたってポジションを持ち続けることがないので精神的にラクです。

また、ポジションを保有している間、常にチャートを監視し続けることが可能なので、相場が急変しても迅速に対応できます。

ちなみに、ポジショントレードでは、エントリーと決済の価格差による「為替差益」だけではなく、通貨ペア間の金利差による「スワップポイント」でも稼げることを覚えておきましょう。

チェックすべき経済情報

スキャルピングはポジション保有時間が「数十秒以内」と超短期の取引です。

そのため、基本的にファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)について分析を行う必要はありません。

チャート上での数秒~数十秒程度の動きは経済の基礎的条件とほぼ無関係なので、テクニカル分析を重視するべきです。

アメリカ雇用統計

ただし、アメリカ雇用統計などの重要経済指標が発表される前後は、急激に相場が上下に振動するため、発表時刻だけは把握しておく必要があります。

発表の前後は、ポジションを持たないことをおすすめします。

ポジショントレードの場合、テクニカル分析はもちろん行うことになりますが、ポジション保有時間が長いためファンダメンタルズ分析も不可欠です。

各国の経済成長率や物価上昇率、財政収支、金利、金融当局のアナウンスなどをチェックしましょう。

チャートの分析方法

スキャルピングで安定的に利益を出すためには、あらかじめルールを作成し、チャート上でテクニカル分析を行い、売買のサインに基づいて取引しなければなりません。

ちなみに、テクニカル分析で使われるインジケーターは、トレンドラインや移動平均線、ボリンジャーバンドといった種類に分けられます。

スキャルピングの場合、瞬間的な判断が求められるため、シンプルで使いやすいインジケーター(トレンドライン、移動平均線、ボリンジャーバンド、MACD、RSIなど)を選択してください。

その際、トレンドの方向を判断するための「トレンド系指標」と、「売られ過ぎ/買われ過ぎ」を判断するための「オシレーター系指標」を組み合わせましょう。

ポジショントレードでは時間的余裕があるため、多種多様なインジケーターを駆使し、じっくりとチャート上でテクニカル分析をしてください。

その上で、ファンダメンタルズ要因も加味して売買のタイミングを見極める必要があります。

性質の違いを理解して、賢く使い分けよう

スキャルピングとポジショントレードは、正反対の性質を持つトレード手法です。それぞれの特徴を理解した上で賢く使い分けましょう。

なお「毎日が忙しくて、長時間、チャートを眺める時間的余裕がない」「ポジションを長期間保持し続けて、ストレスを感じたくない」という方には、スキャルピングをおすすめします。

この記事が、スキャルピングとポジショントレードの違いについて知りたい方のお役に立つことができれば幸いです。