経済指標の発表後はスキャルピングで稼ぎやすい?ファンダメンタルズ分析が必要であるかどうかについても解説

毎月の第一金曜日に発表が行われる「アメリカ雇用統計」。

FX初心者が発表直後にチャートを見ると、「激しい値動き」に驚くかもしれません。

アメリカ雇用統計に限らず、各種経済指標の発表直後は相場が激しく上下に揺れ動きます。

そのため、ハイレバレッジでトレードをしていると簡単にロスカットされてしまうのでご注意ください。

ただし、ある程度の時間が経過して動きが穏やかになったタイミングでは、大きなトレンドが形成されているため、スキャルピングで稼ぎやすくなることも覚えておきましょう。

本記事では、FXの初心者に向けて、経済指標発表後のスキャルピングで利益を出す方法や、注意すべき点、ファンダメンタルズ分析が必要であるかどうかについて解説します。

「経済指標」とは?

経済指標とは、各国の政府や中央銀行が発表する「経済に関する統計」のこと。

経済の状態を把握するのに必須のデータであり、発表直後は為替相場が大きく動きます。

以下は、為替相場に大きな影響を及ぼす経済指標の例です。

・アメリカ雇用統計

・ISM製造業景気指数

・ミシガン大学消費者信頼感指数

・そのほか、主要国のGDPや消費者物価指数など

特にアメリカの経済指標は、外国為替市場に与える影響が大きいことを覚えておきましょう。

FX業者によっては経済指標の発表スケジュールをカレンダー形式にまとめて公開しているケースもあるので、定期的に公式サイトをチェックしてください。

経済指標の発表前に値動きを予測してポジションを保有するのは危険

経済指標発表直後は、値動きが非常に激しくなります。

経済指標が発表される前に値動きを予測してポジションを保有しておくのは危険です。

あらかじめポジションを解消しておきましょう。

ちなみに、経済指標発表直後の値動きを左右するのは、発表内容自体の良し悪しではなく、「予想と実際の発表内容との差」です。

相場というものは、発表が行われるまでに、ある程度、内容を織り込んで動いています。

しかし、実際に発表された内容が予想と大きく外れると価格が乱高下することになります。

なお、予測との差が小さくても、アメリカ雇用統計などの重要経済指標発表直後はボラティリティが極めて大きり、ロスカットされる可能性が高くなるので注意してください。

経済指標発表から一定時間が経過したタイミングが狙い目

上述したように、経済指標の発表直後は値動きが激しすぎるため、ポジションを持たずに、しばらく様子見をするべきです。

ただし、数時間が経過して動きが穏やかになってきた状況においては、スキャルピングで稼ぎやすくなることを覚えておきましょう。

ちなみに、アメリカ経済指標の場合、3~4時間くらい経過した段階で、上下に振動する状態から、一方向に動き続ける大きな流れが形成されるケースが多く、順張りスキャルピングで利益を出しやすくなります。

ただし、その状態でも普段よりもボラティリティが大きい状態が継続するので、土曜日の明け方あたりまではレバレッジを低めにしつつ、慎重にトレードを行ってください。

なお、時間経過によるボラティリティの変化は、経済指標の種類や発表内容によって異なります。

経験したことがない経済指標の場合、1度目はノーポジションで様子見をし、2回目に実際の売買を行う方が良いでしょう。

テクニカル分析だけではなく、ファンダメンタルズ分析も必要?

「経済指標はファンダメンタルズ分析における分析対象なので、発表直後のトレードにおいてテクニカル分析は不要」とお考えになる方がいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いです。

ファンダメンタルズ分析は、「長期的な為替相場の行方」を予想する手段であり、「短期的な値動き」については正確に予測できません。

基本的に為替レートは、国力(経済力)を反映した価格になります。

良い経済指標(GDPの増加など)が判明した場合、長期的には通貨高になるはずです。

しかし、これは原理原則に過ぎません。各種経済指標が発表された直後は、経済の成長が確認されたとしても通貨安になるケースがあります。

短期的な価格は、参加者の思惑などによって左右されるため、必ずしもファンダメンタルズの良し悪しが直接的に反映されないことにご留意ください。

経済指標の発表内容を知るだけでは、スキャルピングが対象にする「数秒から数十秒程度のタイムスパンで起こる値動き」は予測できないと認識しておくことが不可欠です。

スキャルピングで利益を出すために必要なのは、あくまでも「チャート上でのテクニカル分析を丁寧に行うこと」と心得ておきましょう。

各種インジケーターの「売り」や「買い」のサインを見極め、トレードルールに沿って売買を繰り返してください。

本記事が、経済指標発表後のスキャルピングについて気になっているFX初心者のお役に立つことができれば幸いです。