「指数平滑移動平均線」とは?スキャルピングでテクニカル分析を行う際の使い方や見方について徹底解説!

「平均移動線」という単語については見聞きしたことがあるFX初心者も多いでしょう。
しかし、「指数平滑移動平均線」は見聞きしたことがない用語かもしれません。
平均移動線には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
指数平滑移動平均線は「直近の動き」に比重を置いて計算・描画が行われており、精度の高いテクニカル分析を行えるというメリットがあるので活用を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、スキャルピングについて気になっている方に向けて、テクニカル分析において指数平滑移動平均線をインジケーターとして使いこなす方法を徹底解説します。
目次
早めにトレンド転換を知りたければ、指数平滑移動平均線を利用しよう
まず、移動平均線の種類から説明していきます。主に使われる移動平均線は、以下に示す3種類です。
いずれもトレンド系指標に分類されますが、算出方法が異なることを把握しておきましょう。
・単純移動平均線(SMA、Simple Moving Average)
・加重移動平均線(WMA、Weighted Moving Average)
・指数平滑移動平均線(EMA、Exponential Moving Average)
単純移動平均線は、一定期間内の終値の算術平均値を繋ぎ合わせたものです。
100個のデータがある場合、100個の値を全て足し合わせた上で単純に100で割って算出されます。
この計算方法では、価格変動への追従性が充分にあるとはいえません。
単純移動平均線の「新しいトレンドが発生したことを示すシグナルを発するのが遅い」という問題を改善するために開発されたのが、加重移動平均線や指数平滑移動平均線です。
加重移動平均線や指数平滑移動平均線は、直近の価格に「重み」をかけて計算した値を繋ぎ合わせたものです。
そのため、直近の動きに敏感に反応する性質があり、単純移動平均線よりもトレンド転換のシグナルが早めに出ます。
なお、指数平滑移動平均線の方が加重移動平均線よりも直近の価格に対する比重が大きく、より市場の変化に即した分析を行えることを覚えておきましょう。
テクニカル分析における指数平滑移動平均線の使い方や見方
ここからは、テクニカル分析における指数平滑移動平均線の使い方や見方について詳しく説明していきます。スキャルピングで利益を出すための参考にしてください。
指数平滑移動平均線の基本的な活用法
指数平滑移動平均線は、トレンドの流れを知るために用いられる「トレンド系指標」の一種です。
以下に示すように、指数平滑移動平均線の傾き具合によって相場の状況を判定できます。
・上向き:上昇トレンド
・下向き:下降トレンド
・横ばい:もみ合い局面
なお、高値ゾーンで指数平滑移送平均線が上昇から下降に転じたら「売り」のシグナル、安値ゾーンで指数平滑移動平均線が下降から上昇に転じたら「買い」のシグナルです。
ちなみに、指数平滑移動平均線は、期間の違うものを数本組み合わせて使うのが一般的です。
以下、2本の指数平滑移動平均線を用いた際の代表的な売買シグナルを2つご紹介します。
ゴールデン・クロス
短期指数平滑移動平均線が長期指数平滑移動平均線を下から上に交差して抜ける状態を「ゴールデン・クロス」と呼びます。
ゴールデン・クロスが発生した場合、直近のトレンドが上向きに転じています。
「買い」のサインとして、スキャルピングで活用しましょう。
デッド・クロス
ゴールデン・クロスとは逆に、短期指数平滑移動平均線が長期指数平滑移動平均線を上から下に交差して抜けることを「デッド・クロス」と呼びます。
デッド・クロスが発生している状況では、直近のトレンドが下向きに転じています。
スキャルピングを行う際には、「売り」サインとしてご活用ください。
指数平滑移動平均線を上手に活用しよう
FXの初心者の中には、運や勘に頼ってトレードを行っている方がいらっしゃるかもしれません。
そのような方法でも一時的に利益が出ることがありますが、長期的には大きな損失を出してトレードの世界からの退場を余儀なくされる可能性が高いことを認識してください。
スキャルピングはギャンブルではありません。
あらかじめトレードルールを作成し、チャート上でテクニカル分析を行って、「売り」や「買い」のシグナルに従って売買を行うべきです。
なお、トレンドの方向性を見極める際には、直近の価格を重視して算出されていることから相場変動に対する感応度が高い指数平滑移動平均線の利用をおすすめします。
ただし、指数平滑移動平均線は、実際の値動きの後追いで変動し、相場に先行することがありません。
他のインジケーターも併用しながら、上手にテクニカル分析を行ってください。
本記事が、スキャルピングにおける指数平滑移動平均線の使い方や見方について知りたい方のお役に立つことができれば幸いです。