ファンダメンタルズ分析を行う際に重視すべき金融政策とは?スキャルピングにおける活用法についてもご紹介!

ファンダメンタルズ分析とは、各国の経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)に基づいて、長期的な相場の動きを予測する手法です。

なお、チェックすべき要素としては、「経済指標」「金融政策」「要人の発言」「国際情勢」などが挙げられます。

本記事では、これらの中から特に「金融政策」に焦点を絞って、ファンダメンタルズ分析を行う際に知っておくべき事項をまとめました。

加えて、各国の金融政策の発表後に大きなトレンドが形成される状況を利用してスキャルピングで稼ぐ方法についてもご紹介します。

「金融政策」とは?

金融政策とは、「通貨の流通量を調整するための政策」です。

物価を安定させ、経済の発展を下支えするために、中央銀行によって実施されます。

なお、金融政策は、以下の2種類に大別されます。

・金融緩和:物価上昇率が低下した際に、景気を刺激するために「政策金利の引き下げ」や「量的緩和」が実行される

・金融引き締め:物価上昇率が大きくなりすぎた際に、景気の過熱を防ぐために「政策金利の引き上げ」や、すでに量的緩和を行っている国では「量的緩和の縮小」が実行される

政策金利とは、中央銀行が一般銀行に貸し出す際の金利です。

利上げが実行されると通貨高になり、反対に利下げが実行されると通貨安になる傾向があります。

また、政策金利の上げ下げが行われると通貨ペア間の金利差が変化し、スワップポイントに影響が出ることも認識しておきましょう。

量的緩和とは、金融機関が保有する国債などを中央銀行が買い取ることで市場に資金を大量供給し、経済の活性化を図る金融政策です。

政策金利を上げても景気回復や物価上昇率の引き上げを達成できなかった場合に実行されます。

ファンダメンタルズ分析を行う際に重視すべき金融政策

以下は、ファンダメンタルズ分析を行う際にチェックすべき金融政策に関する議事録・発表・会合の代表例です。

・FOMC(連邦公開市場委員会)議事録:アメリカの金融政策を決定する会合(年8回開催)の議事録であり、現在の景況判断や政策金利の上げ下げなどの方針が示される

・ECB(欧州中央銀行)金融政策発表:原則として毎月第一木曜日に、ユーロ圏19ヵ国の金融の最高意思決定機関であるECBの理事会で決定された政策金利などについて発表が行われる

・日銀金融政策決定会合:日本銀行による金融政策の運営に関する事項を審議・決定する会合(年8回開催)であり、終了した直後に決定内容が公表される

これらの情報は、各国の政府機関や中央銀行などの公式サイトで直接確認することも可能ですが、外国語で書かれている場合は日本語に翻訳するのに手間がかかります。

テレビや新聞、インターネットのニュースサイトのほか、FX業者の経済・金融情報配信サービスを活用すれば、日本語に翻訳済みの情報を効率的に収集できることを覚えておきましょう。

そのほか、中央銀行のトップの発言も、相場に影響を及ぼすことがあります。

具体的には、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)の議長、ECBの総裁、日本銀行の総裁が何らかの発言を行った際に、為替相場が動くケースがあることを認識し、常に最新のニュースにアンテナを張っておく必要があります。

金融政策の発表後は大きなトレンドが形成されやすい

ファンダメンタルズ分析は、あくまでも「中長期的な相場の動き」を探る手段です。

スキャルピングはポジションの保有時間(エントリーから決済までの時間)が数秒から数十秒程度の超短期のトレード手法であり、売買を行う際にファンダメンタルズ分析を直接的に用いるわけではありません。

ただし、各国の金融政策の発表後に、大きなトレンドが形成されることがあります。

一方向に相場が動く状況で、テクニカル分析で「売り」や「買い」のサインを見極めつつ、スキャルピングで順張りトレードを行えば、普段よりも利益を出しやすくなることを覚えておきましょう。

なお、金融政策の決定・発表前後は、ボラティリティが極めて大きくなり、上下に乱高下し、すぐにロスカットされるリスクがあります。

あらかじめ発表スケジュールを確認しておき、発表の前にポジションを解消しておきましょう。スキャルピングに適している時間帯は、発表から数時間経過後です。

どのくらい様子見を行うべきか決定・発表内容によって異なりますが、ある程度の落ち着きを見せるようになってからエントリーを開始しましょう。

その後も普段よりもボラティリティが高い状態がしばらく続くので、レバレッジの倍率を低めにし、損切りを徹底しつつスキャルピングを行ってください。

本記事の内容が、ファンダメンタルズ分析を行う際に重視すべき金融政策や、スキャルピングにおける活用法について知りたい方のお役に立つことができれば幸いです。