「追証」や「ロスカット」の仕組みとは?スキャルピングなら、損害を被るリスクを低減できる!

「副業としてFXをはじめよう」「スキャルピングという手法が気になっている」という方は、トレードを開始する前に「追証」や「ロスカット」について理解しておきましょう。

仕組みが良く分からないまま売買を行っていると、相場急変時に損失を被る可能性があります。

ここでは、FXやスキャルピングの初心者に向けて「追証(おいしょう)」や「ロスカット」の仕組みについて徹底解説します。

まず理解しておきたい「追証(おいしょう)」とは?

追証(おいしょう)とは「追加証拠金」の略称であり「追加で入金を求められる証拠金」のことです。

多くのFX業者では、毎営業日の終了時に「証拠金維持率の判定」が行われています。

その際に100%を下回っていたら「指定する時刻までに不足額を入金して、証拠金維持率が100%を上回る状態にするように」と通知されるので、速やかに入金してください。

「手持ちの資金がない」という場合は、追加で入金する代わりに「保有しているポジションの一部または全部を決済すること」で証拠金維持率が100%を上回る状態にすることも可能です。

期限までに「追加で資金をFX口座に入金する」または「ポジションの一部を決済する」という方法によって証拠金維持率が100%を上回る状態にしなければ、業者によって全ポジションの強制決済が行われることを覚えておきましょう。

ちなみに、追証のリスクがあるのは、FXだけではありません。

「証拠金(担保)を預け入れて、その何倍もの金額でトレードを行える仕組み」の金融商品・サービスである「株式の信用取引」などでも、証拠金維持率が低下した場合に追証の入金を求められるリスクがあります。

知っておくべき「ロスカット」の仕組み

ロスカットとは、顧客を保護するために、証拠金維持率が一定以下になった際に強制的に全ポジションを決済する仕組みです。

ロスカットが執行される証拠金維持率は業者によって異なり、40%~50%程度のケースもあれば、80%程度で執行されるケースもあるので、トレードを開始する前に公式サイトで確認しておきましょう。

なお、追証の場合は「毎営業日の終了時」に判定が行われるのに対し、ロスカットの場合は「リアルタイム」で判定が行われ、システムによって即時執行されるという違いがあります。

追証であれば「資金を工面して入金する」「保有中のポジションの一部を決済する」といった時間的な余裕がありますが、ロスカットは証拠金維持率が基準を下回った時点で即時執行となることにご注意ください。

ギリギリの金額ではなく、ある程度の余裕を持った金額を入金するように心掛け、常に証拠金維持率に気を配りながらトレードを行いましょう。

海外業者では「ゼロカット」の仕組みを採用しているケースもある

重要経済指標の発表直後や、主要国の金融当局のアナウンスが実施された直後などは、相場が急激に変動し、ロスカットの執行が遅れるケースがあります。

国内のFX業者を利用している場合、入金額以上の損失が発生し、後日、業者から支払いを求められる(借金を抱える)可能性があることを覚えておきましょう。

なお、海外業者の中には「ゼロカット」と呼ばれる仕組みを導入しているケースがあります。

ゼロカットとは「本来なら顧客の借金となる不足分」をFX業者が全額負担する仕組みです。

ゼロカットのほかに、レバレッジの倍率が最大で数百倍と高いことも海外業者の魅力です。

ただし、国内業者を利用して利益が出た場合は「申告分離課税」が適用されるため、他の所得(給与所得や事業所得など)と区分されて課税され、利益の額にかかわらず、所得税・地方税・復興特別所得税を合わせた税率が20.315%になるというメリットがあります。

海外業者を利用した場合は「総合課税」かつ「雑所得」として取り扱われます。

他の所得と区分されず、累進課税となるため、利益が大きい場合は税率の面で不利になることにご留意ください。

追証やロスカットによって損害を被るリスクを低減できる

スキャルピングは、ポジションを保有する時間が数秒から数十秒程度の超短期売買です。

このくらいの短いタイムスパンであれば、相場が急変する確率は極めて小さく、大きな損失を被りにくいでしょう。

また、ポジション保有時間が数時間から数日程度であるデイトレードやスイングトレードでは常にチャートを監視し続けることが困難ですが、スキャルピングならトレードの開始から終了まで容易に監視できます。

スキャルピングでは、ポジションを保有している間に相場が急変しても損切りを速やかに行えるので、証拠金維持率が著しく低下する状況に陥る可能性が低く、追証やロスカットのリスクを低減できます。

この記事が、追証やロスカットの仕組みについて知りたいスキャルピング初心者のお役に立つことができれば幸いです。