スキャルピングをする際は「証拠金維持率」に注意!計算方法や安全圏の目安についても徹底解説

24時間いつでもトレードを行える「FX(外国為替証拠金取引)」。

しかし「副業としてFXで稼ぐことを検討しているけれども、毎日が忙しくて、長時間チャートを見続けることができない」とお悩みの方がいらっしゃるかもしれません。

そのような方には、スキャルピングというトレード手法をおすすめします。

ポジション保有時間が数秒から数十秒程度の超短期売買なので、まとまった時間を確保できない方でも稼ぐことが可能です。

なお、スキャルピングを行う際には「証拠金」をFX口座に入金しなければなりません。

証拠金維持率が低下すると様々な問題が発生するため、充分な額の資金を入金しておきましょう。

ここでは、証拠金維持率の計算方法や、低下時のリスク、安全圏の目安について徹底解説いたします。

スキャルピングを行う際には「証拠金」の入金が必要

スキャルピングを行う際には、事前にFX口座に証拠金を入金しておく必要があります。

現在の日本では、個人名義のFX口座の場合、最大で証拠金の25倍の金額でトレードを行うことが可能です。

ちなみに「少ない資金で大きな金額を動かせること」を「レバレッジ効果」と呼びます。

なお、証拠金という概念は、以下の3種類に分けられます。

受入証拠金:FX口座に入金した資金(業者によっては「預り金」という名称)

必要証拠金:ポジションを保有している際に拘束される資金

有効証拠金:受入証拠金と評価損益(含み益・含み損)の合計

ちなみに、必要証拠金の額は、レバレッジの倍率によって変動します。

レバレッジ25倍の場合は、動かす金額の「4%」になります。

また、評価損益は、ポジションの含み益が発生している際にはプラス、含み損が発生している際にはマイナスとなることにご留意ください。

証拠金維持率を計算する方法

証拠金維持率は、以下の式で計算できます。

証拠金維持率(%)=有効証拠金÷必要証拠金×100

例として「FX口座に10万円を入金し、レバレッジ25倍で、ドル/円の1万通貨分(100万円分)の買いポジションを、1ドル=100円のタイミングで保有した直後」の証拠金維持率を計算してみましょう。

まず「必要証拠金」の額は、レバレッジの倍率が25倍の場合、トレード金額(1万ドル=100万円)の4%、すなわち、「4万円」です。

そして、買いポジションを保有した直後であれば、含み益も含み損も発生していないため、FX口座に入金した「10万円」が「有効証拠金」の額となります。

以上より、証拠金維持率は10万円÷4万円×100=250%となります。

なお、為替相場は常に揺れ動いているため、ポジションの評価損益も常に変化し、有効証拠金や証拠金維持率も刻々と変わっていくことを覚えておきましょう。

証拠金維持率が低下した際に被るリスク

証拠金維持率が一定以下になると、追加証拠金の入金を求められたり、強制的にロスカット(保有している全てのポジションの決済)が行われたりすることにご注意ください。

なお、多くの業者では、100%で追加証拠金の入金を求められ、50%程度でロスカットが発動されることを覚えておきましょう。

ちなみに、重要経済指標(アメリカ雇用統計など)の発表直後や、主要国の金融当局や政府要人が重大なアナウンスを行った際には相場が極めて急激に変化し、証拠金維持率が50%を大きく下回る水準でロスカットが執行されるケースもあります。

スキャルピングではポジション保有時間が極めて短いため、エントリーから決済までの間に大きな相場変動が起こりにくいことが魅力です。

また、常に監視できるので、万が一、相場が急変しても損失を小さくできます。

「大きな損失を出すリスクを低減しつつ、FXで稼ぎたい」とお考えの方は、トレード手法としてスキャルピングを選択してはいかがでしょうか。

証拠金維持率の目安

ポジションを保持する時間が長くなるほど、大きな価格変動に直面する可能性が高くなります。

「デイトレード」や、ポジション保有時間が数日程度の「スイングトレード」では、常に監視し続けることが困難なので、価格が変動してもロスカットされることがないように、証拠金維持率に余裕を持たせておかなければなりません。

一般的に、スイングトレード以上の長期トレードでは1,000%以上、デイトレードでは500%程度の証拠金維持率があれば安全です。

なお、ポジション保有時間が数秒から数十秒であるスキャルピングの場合は、基本的にモニターの前で監視し続けることが可能であり、相場の急変があっても速やかに対応できるので、250%程度の証拠金維持率でも充分といえるでしょう。

この記事の内容が、スキャルピングをする際の証拠金維持率の計算方法や安全圏の目安について知りたい方のお役に立つことができれば幸いです。